2.逆関数

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2講目です。

曲は「Get Wild」です。

H ZETT Mさんによるアレンジです。のびのびとしていていいですね。

 

では、前回「Legendre-Jacobiの標準形の逆関数として、sn,cn,dn関数を定めた。」また、それらについては「いつか紹介する。」と記しました。

確かに、まだ紹介できるほどの暇はないのですが、これから楕円積分から楕円関数を導出していく上で、どちらにしろ、「逆関数」が少し登場してくるので、少し説明をしたいと思います。わかってる人は見なくて良いです。

 

 

 


逆関数とは、y=xを軸として対象移動した関数です。

xyを入れ替えた関数と言っても良いと思います。

つまり、y= f_{(x)}x= f_{(y)} にするという認識で構いません。)

 

例えば、

f:id:higashinobu12:20180427205353p:plain

青線がy=e^xで、赤線がy=\log_e xです。

 

y=e^x逆関数y=\log_e xですが、一応理由を示しておきます。

命題

 

  y=e^x逆関数y=\log_e x

  proof

y=e^xの両辺を対数でとって、

\log_e y=\log_e e^x

x=\log_e y よってxyの場所を入れ替えて、

y=\log_e x

 

では、y=sinx逆関数は何でしょうか。

命題 y=sinx逆関数は何か。

図で示すと、

f:id:higashinobu12:20180427214150p:plain

先に書いたとおり、y=sinx逆関数x=sinyですが、通常は、y= sin^{-1}xy=arcsinxと書きます。(しかし、y=sinxは周期関数ですので、同じ値を無限に取ることができ、逆関数も無限に生成されてしまうため、定義域を- \frac{ \pi }{2} \leq y \leq \frac{ \pi }{2} に固定します。とはいえ、一周期までであればどこを固定しても大丈夫ですね。)

解答

 

y=sinx逆関数y=arcsinx (y=sin^{-1} x)
これで逆関数の概説を終えます。

 番外編

y=arcsinx被積分関数積分を使って)表示したいと思います。

 

proof.)

まず、y=arcsinxx=sinyなので、これを微分してみます。

 \frac{dx}{dy} =cosy

逆関数微分\frac{dx}{dy} = \frac{1}{ \frac{dy}{dx} } より、

\frac{dy}{dx} = \frac{1}{cosy} です。

 

- \frac{ \pi }{2} \leq y \leq \frac{ \pi }{2} であるので、

\frac{1}{cosy} = \frac{1}{ \sqrt{1- sin^{2}y } } よって、

\frac{dy}{dx} = \frac{1}{ \sqrt{1- x^{2} } }

また、微分積分学の基本定理より、

\displaystyle \int \frac{dy}{dx} dx=arcsinx なので、

\displaystyle arcsinx= \int \frac{1}{ \sqrt{1- x^{2} } } dx

y=arcsinx積分表示は、

\displaystyle arcsinx= \int \frac{1}{ \sqrt{1- x^{2} } } dx